2010 Fiscal Year Annual Research Report
参加型森林管理の普及条件と資源動態:森林インフラストラクチャーを手がかりに
Project/Area Number |
21405005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
増田 美砂 筑波大学, 生命環境系, 教授 (70192747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葉山 アツコ 久留米大学, 経済学部, 准教授 (30421324)
谷 祐可子 東北学院大学, 経済学部, 准教授 (40326707)
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Keywords | 国有林 / 共同森林管理 / インド / インドネシア / フィリピン |
Research Abstract |
2011年2月から3月にかけて,研究協力者の大田がインドのマディヤ・プラデーシュ州において,共同森林管理(JFM)に関して前年度からの継続調査を実施した.また3月前半に,現地研究協力者のBhattacharyaと西ベンガル州を訪問し,西ミドナープル県および南24パルガナー県における予備調査を行った.後半から合流する予定であった研究代表者の増田と分担者の谷は,谷が被災したため調査を延期し,2011年8月に西ベンガル州におけるJFMの現場を訪問するとともに,森林局における資料収集を行った.インドにおけるJFM先進州とされる西ベンガルであるが,森林地帯の治安悪化により現場に近づくことができず,平野部のJFMでヒアリングを行った限りでは,JFM委員会は間歇的にしか森林からの分収益をえることができず,森林管理に対する報酬としての収益分配および非木材林産物の排外的利用権を骨子とするJFMのメカニズムに対する住民の関心は,導入初期に較べ低下していることがわかった. 一方,インドネシアのジャワ島におけるPFBMが森林動態に及ぼす影響について,西ジャワ州クニンガン県を事例に調査した現地研究協力者のPrasetyoとDamayantiのチームは,PHBMが導入された南部とまだ導入されていない北部では,森林資源の変化に相違があることを明らかにした.前者において増加傾向が認められたが,同時に衛星画像解析による森林動態のモニタリングにおける技術的な課題も見出された.研究分担者の葉山は,調査地をネパールからフィリピンに変え,フィリピンの森林回復はコミュニティに基盤をおく森林管理(CBFM)を初めとする施策ではなく,人口動態という森林セクター外の要因によってもたらされていることを証明すべく,センサスの分析と電話インタビューを行った.以上について,10月に研究代表者,分担者および研究協力者による研究会を開催した.
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Research Products
(6 results)