2009 Fiscal Year Annual Research Report
撹乱処理を用いた多雨林樹種の個体群動態パラメータの一斉推定
Project/Area Number |
21405006
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
甲山 隆司 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (60178233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相場 慎一郎 鹿児島大学, 理学部, 助教 (60322319)
清野 達之 筑波大学, 生命環境科学研究科, 講師 (40362420)
久保 拓弥 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 助教 (80344498)
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Keywords | 熱帯多雨林 / 照葉樹林 / 撹乱 / デモグラフィー / ベイズ推定 |
Research Abstract |
平成21年度に繰り越した補助金に関しては、平成22年度に以下のように実施した。 1.マレーシアにおける野外調査 平成22年5月から7月、および同12月から平成23年3月の2回、マレーシア・ペラック州において、熱帯低山地多雨林の多様性保全伐採実験調査区(PITC)にて調査を行なった。伐採の前後における林相・組成・林冠葉層密度の変化と、更新値樹相およびタケ類4種の分布変化を追跡調査した。 2.屋久島における調査 平成23年3月に、鹿児島県屋久島の照葉樹林の一次林および二次林の樹木群集の調査を行なった。すでに設定されている永久調査区における樹木調査に加えて、調査区周辺域において、材密度などの種機能特性およびその発達過程における可塑性を明らかにするための調査を実施した。マレーシア・パソーで実施した樹冠形態特性と材密度との関係解明と比較するために、屋久島照葉樹林の主要高耐陰性樹種14種について、材密度のセンサスを行なった。 3.データおよび試料解析 データおよび試料解析の補助のために、短期支援員(2名)を雇用し、マレーシアおよび屋久島のプロットデータと、樹種機能特性の解析をすすめた。パソー調査区の主要樹種200種のデモグラフィー解析では、生長と死亡確率を、樹木個体近傍の上層葉密度に依存するモデルによって表した。個体位置を中心とするさまざまな半径の近傍円内に存在する、自身より大きい他個体の基底面積の影響を調べ、半径10メートルが最もよい被陰強度の指標となることを見いだした。ベイズ解析による樹冠形態特性のうち、高さに対する樹冠幅が、強被陰環境下の稚樹期の死亡率と正の関係にあるが、樹冠深度などとは無関係であることを明らかにした。
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