2009 Fiscal Year Annual Research Report
中国内蒙古砂漠化/退行草原の草生回復と牧畜技術の改善に関する研究
Project/Area Number |
21405033
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石川 尚人 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 助教 (20202963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志水 勝好 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (40261771)
永西 修 独法・農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所, チーム長 (20355069)
甘利 雅拡 独法・農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所, 主任研究員 (10414723)
後藤 正和 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (20144230)
近藤 誠 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 助教 (05432175)
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Keywords | 内蒙古 / 過放牧 / 草・土壌成分 / 砂漠化 / 飼料成分 / 草量 / 草原退化 / リモートセンシング |
Research Abstract |
昨年度の結果から、退化の程変に準じて草原を4タイプではなく5タイプに類型化するのが妥当であると考えられたため、草原を5タイプに分類して解析を行った。さらに、内蒙古全域を気候の違う6地域に分類することにより、地域的な草原タイプの特徴が明らかになった。これらの解析の結果、昨年度中に2000年代の内蒙古全域の全草量の推定に成功した。現地調査には3年を要したため、降雨量の年度間差の要因を回避するために1970年から2000年の30年間の平均降雨量として算出した場合、内蒙古全域の2000年代の5タイプの全草原面積は1530万haであり、内蒙古草原全域で約900万tの草の総生産能力を有していたことを明らかにした。さらに、1980年代の草原面積および草終了の推定値の概算についても計算が終了し、この時期の全草原面積は1620万ha、内蒙古草原全域で約1150万tの草の総生産能力を有していたことが明らかとなり、内蒙古全域の草原におけるこの時期の20年間に草原面積が30%、総草量が22%減少したことを明らかにした。また、対象に植生調査を行い、植物および土壌を採取して化学成分、可消化成分含有率、タンパク質/炭水化物画分および窒素・リン含有量の分析を行い、これらの分析値に基づいて草成分値・土壌養分値との関係のモデル化を試みたが、SPAD計を用いた葉緑素測定の精度が低いことが明らかになった。今後はRQ-フレックス計および近赤外線分析により、植物中の窒素を直接測定する必要があることが示された。
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