2011 Fiscal Year Annual Research Report
中国内蒙古砂漠化/退行草原の草生回復と牧畜技術の改善に関する研究
Project/Area Number |
21405033
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石川 尚人 筑波大学, 生命環境系, 助教 (20202963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 正和 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (20144230)
永西 修 独立行政法人・農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所, チーム長 (20355069)
川村 健介 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 准教授 (90523746)
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Keywords | 内蒙古 / 過放牧 / 草・土壌成分 / 砂漠化 / 飼料成分 / 草量 / 草原退化 / リモートセンシング |
Research Abstract |
本研究の目的である草-土-家畜のモデリングに直接関係する主要成果の概要をまとめる。 1.2000年の内蒙古を対象にして6地域・5タイプ草原に内蒙古全域を分類し、それぞれの地域と草原タイプの草生産量や植生の特徴を明らかにした。その結果、同一タイプの草原においても地域により草生産量の違うことが明らかになった。そこで同一タイプの草原における地域間差の原因となる要因として土壌成分とその他の環境要因について調べ、草生産量の多い典型草原では土壌表層の窒素およびリン含有率が高く降雨量が多いことが示した。さらに、草生産量と放牧強度の関係が明確に見られる地域と明確ではない地域があることを示した。 2.1980年代から2000年代の内蒙古全域の草原の変化を調べた結果では、草旬草原、典型草原、荒漠草原、草原荒漠、荒漠の全域で草生産性が約10~30%低下したことが明らかになった。この草生産性の低下は典型草原(21%)と草原荒漠(29%)で特に著しいことが明らかになった。20年間の草生産性の低下の要因として気温、降雨量、耕作面積、放牧強度などについて調べたが、どの要因も単独では草生産性の低下を説明することはできず、内蒙古全域における1980年から2000年にかけての草原退化は複合的な要因により引き起こされた可能性が示された。以上、本研究では地域をサブモデルとした1980年から2000年の内蒙古全域における草-土-家畜モデルを構築した。
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Research Products
(5 results)