2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21406010
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
鳥居 本美 Ehime University, 大学院・医学系研究科, 教授 (20164072)
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Keywords | 原虫 / マラリア / ワクチン / 組換えタンパク質 |
Research Abstract |
申請者らは、コムギ胚芽無細胞タンパク質合成法で作製した組換えタンパク質を用いたスクリーニングによって、新規伝搬阻止ワクチン候補抗原として数種類のマラリア原虫タンパク質を見いだすことに成功した。本研究は、これらのタンパク質に対する抗血清が伝搬阻止活性を有するか否かについて、流行地のマラリア患者から採血した原虫を用いた人工吸血法(メンブレンフィーディング法)によって検討し、流行地住民の自然感染による免疫のブースト効果が期待できるマラリア伝搬阻止ワクチンの開発をめざして実施している。本年度は、まず生殖母体および生殖体、融合体で発現する抗原に対する抗体の伝搬阻止活性を測定する人工吸血法の有効性について既知のPvs230に対する抗体を用いて検討した。その結果、患者から採血後、直ちにいくつかの希釈倍率の抗体と混合し、その後にメンブレンフィーダーを用いてマラリア媒介蚊(Anopheles dirus)に吸血させることで、標的分子に対する伝搬阻止活性の測定が可能であることを確認した。また、これまでのネズミマラリアの研究から同定することの出来た2種類の熱帯熱マラリア原虫生殖母体タンパク質のcDNAを有する発現プラスミドから、コムギ胚芽無細胞合成系を用いて、それぞれの組換えタンパク質の大量合成及びアフィニティー精製を行った。また、三日熱マラリア原虫の相同の分子(オーソログ)についても、同様の方法でタンパク質の合成、精製を行った。精製した組換えタンパク質を用いてウサギ、マウスを免疫し、抗血清を作製した。抗体の特異性と抗体価の検定を、組換えタンパク質を用いたELISA法および熱帯熱マラリア原虫を用いた間接蛍光抗体法によって実施した。
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