2011 Fiscal Year Annual Research Report
グラフを分割,彩色,描画するアルゴリズムの効率化とそれらの応用
Project/Area Number |
21500001
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
西関 隆夫 関西学院大学, 理工学部, 教授 (80005545)
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Keywords | グラフ描画 / 格子凸描画 / 内部3連結グラフ / 3連結成分分解木 / アルゴリズム理論 |
Research Abstract |
本研究では,グラフ問題の中でも特に重要な,グラフの分割,彩色,描画問題に的を絞り,それらの最適解を求めるアルゴリズムや近似解を求めるアルゴリズムなどを開発・発展させた. 描画問題では,平面グラフで格子凸描画するアルゴリズムを発展させた.内部3連結平面グラフGの分解木T(G)に葉がちょうど4枚あるとき,Gを2nx2nの大きさの整数格子内に線形時間で格子凸描画するアルゴリズムに成功した. グラフの彩色問題では,直並列グラフGの帯域幅連続多重彩色でスパンが最小なものを求める問題に対して,擬多項式時間厳密アルゴリズムおよび完全多項式時間近似スキームを与え,これらの結果を部分K-木,即ち,木幅が定数であるグラフに拡張した. グラフの分割問題では,分割問題を線形時間で解くアルゴリズム,最大分割問題を擬多項式時間で解くアルゴリズム,そして最大分割問題を解くFPTAS (Fully Polynominal-Time Approximation Scheme)という3つのアルゴリズムを与えることに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究実施計画に挙げた「平面グラフを凸描画格子するアルゴリズム」,「擬多項式時間アルゴリズムとFPTAS」などの開発に成功し,それらの成果を国際会議及び学術論文誌で発表するという今年度の目標を達成できている.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り来年度も,需要・供給分割アルゴリズムのFPTASの一層の高速化,均等分割アルゴリズムの負荷分散問題や選挙区割問題への応用化と更なる効率化,リスト辺彩色や最小コスト彩色アルゴリズムのさまざまな実問題への応用とより広いクラスのグラフに適用できるようなアルゴリズムの拡張などの研究に重点を置き,得られた成果を理論的および実証的成果として論文にまとめ国際会議などで発表していく.
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