2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金田 康正 東京大学, 情報基盤センター, 教授 (90115551)
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Keywords | 4倍長精度計算 / 数学定数 / 素数 / 数値計算アルゴリズム / double-double精度 / Brun定数 / Twin prime / アルゴリズム |
Research Abstract |
並列計算機の性能向上や数値計算法の進展は大規模科学技術計算の大きな鍵となっている。浮動小数点演算において計算規模が増すに従って多くの計算を必要とし、計算誤差が増大する。その解決策の1つとして倍精度数より有効桁数の多い倍精度を2つ用いて表される'double-double'精度のデーター型の4倍長精度数がある。この'double-double'精度の4倍長精度数は通常の計算機上で高速に計算をエミュレートできる特徴を持つ。その代償として4倍長精度演算はソフトウェアによって実現(エミュレート)されるため、倍精度演算に比べ多くの計算時間を必要とする。(4倍精度数の加減乗算で、ハードウェアで実現している倍精度数演算の1/10程度、除算で1/3程度の演算速度。)本年度はこれまでに開発・評価・性能向上を行った4倍精度数演算ルーチンの数学研究の応用として、Brun定数の高精度計算に適応を行い、論文を作成し投稿を行った。ここで言うBrun定数とは、p(>=2)を素数としたときp+2も素数となる全てのpについての(1/p+1/(p+2))の総和の値を言う。(この時のpを双子素数、Twin prime、と呼ぶ。)昨年度末までに知られていたBrun定数は小数点以下9桁目まで正しく求まつていたが、今回10桁目を正しく求める事が出来た。(現在までに得られているBrun定数の値は1.902160583…であり、今回最後の数値である3を確定した。)
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