2010 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト・セマンティック・グリッドにおけるオントロジー誂えのための柔軟な作業管理
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21500087
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
B.O. Apduhan 九州産業大学, 情報科学部, 教授 (60238714)
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Keywords | 計算機工学 / サービス機構基盤技術 / グリッド・コンピューティング / セマンティック・グリッド / サブオントロジ抽出 |
Research Abstract |
本研究は、ポストセマンティックグリッドを見据えて、オントロジーの管理技術や再利用のための柔軟なワークフローを開発するものである。前年度に九州産業大学にセマンティックグリッド環境を構築して、動作確認とサブオントロジー抽出機構の検証実験等を行ったが、本年度はその環境のミドルウェアGlobus ToolkitをGT4からGT5へアップグレードを行った。 今年度の理論的な成果としては、オントロジーの拡張のプロセスを考察した。あるオントロジーの拡張を行うのに、他のオントロジーから抽出されたサブオントロジーを加えるという方法である。具体的な2つの抽出方法を提案し、UMLSオントロジーを用いてワークフローを示した。 遠隔地を結ぶセマンティックグリッド環境においてOTPR (Ontology Tailoring Processing Resource)の負担を減らすため、オントロジーから効率的に最小限のサブオントロジーを抽出して保管する方法を考え、CnV (Consistency Validation Checking)とCmS (Completeness Validation Scheme)の2つのスキーマを使った方法を考案した。また、オントロジー更新を効率化するため、更新されたオントロジーのサブオントロジーを、抽出スキーマを再度使用せずに直接生成するアップデートメカニズムを構築した。このメカニズムは独自仕様の更新パッチを適用したもので、構築したセマンティックグリッド環境に実装して検証実験を行い、良好な結果を得た。 以上の成果はそれぞれ学会で発表して、公開している。オントロジーの管理、再利用はセマンティックグリッド技術の進展に重要なもので、オントロジー拡張や更新について新しいワークフローを考えて実証実験を重ねていくことは意義が大きいと考える。
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