2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500278
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
若木 宏文 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90210856)
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Keywords | 2段階標本抽出 / 検定方法の選択 / 局所対立仮説 |
Research Abstract |
筑波大学青島教授との共同研究で、母平均ベクトルの領域推定に関する、漸近展開公式を利用した2段階標本抽出法が数式処理ソフトMathematicaを用いて導出されていたが、そのアルゴリズムを見直すと共に、得られた手法の妥当性について考察した。 漸近展開公式を用いて領域推定に必要な標本数について調べたところ、母集団の尖度パラメータの値によっては、分散共分散行列が既知の場合に必要な標本数よりも、未知として2段階標本抽出法を用いた方が標本数が小さくなるという"超有効性"の現象の存在が理論的に確認された。これを受けて、位置尺度分布族を想定し、最尤推定量に基づく2段階法を構築することを考えたが、アイデアの段階でうまく機能するかどうかは確認できていない。 統計モデルの母数に関する代表的な検定方法に、尤度比検定、スコア検定、ワルド検定などがあり、多変量分散分析においては、対立仮説の状況により、これらの検定の優劣が変わることが知られている。初期標本から得た情報を基に、3つの検定方法を選択することによって、平均的により少ない標本数で所定の検定を行う可能性に気付いた。 正規母集団の共分散構造に関しては、上記3つを含む検定のクラスが提案されており、 2段階標本抽出法によりクラスから最適な検定を選択する方法が考えられる。このクラスの検定の帰無分布の漸近展開がWakaki,Eguchi and Fujikoshiによって得られているので、局所対立仮説の下での漸近展開公式を導出し、検定の漸近的な優劣を示す公式を導出した。この結果は、学術誌に投稿中である。
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Research Products
(2 results)