2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500278
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
若木 宏文 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90210856)
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Keywords | 2段階標本抽出 / 漸近展開 / 単調変換 / ブートストラップ |
Research Abstract |
23年度の研究内容は以下の通りである。 a.漸近展開を用いた2段階標本抽出法の改良 初期標本に基づいて、追加標本を含めた統計量の分布の漸近展開を導出し,それを用いて,追加標本数を推定する手法を提案し,その精度を数値実験により比較した.予想通り,変数の次元が大きい場合には,推定精度が悪くなるが,信頼区間幅を小さく,従って初期標本数を大きく設定した場合には,高精度の推定が行える。 b.ブートストラップ法を用いた2段階法の構築 非正規母集団に対して,正規性を仮定した場合の追加標本数を初期値として,その追加標本数を追加した統計量の分位点をブートストラヅプ法により推定し,追加標本数を更新するというアルゴリズムを提案した.ブートストラップを反復する手法であるため,数値実験に時間がかかり,性能評価までは至っていない。 c.漸近展開を利用した単調変換とブートストラップ法の組み合わせ 1次元の場合には,Peter Hallによる単調変換とその逆変換を合成することで,漸近展開による手法と同等な単調変換を構成することができ,非正規母集団に対する2段階標本抽出法が構築できた.その結果得られる追加標本数の推定値を初期値として,ブートストラップ法を反復するアルゴリズムを考案したが,数値実験による評価はこれからである。 d.初期標本から得られる情報を用いた推測法の選択 MANOVA検定において,尤度比検定とスコア検定の漸近的な優劣を決めるパラメータ(非心行列の固有値)を初期標本から推定し,それによって尤度比検定とスコア検定を選択する手法について考察しているが,帰無仮説の下での検定統計量の分布の分位点の推定法,検出力の意味での従来法との比較法追加標本数を決定方法などいくつかの課題を解決する必要があり,まだ実用的な検定方法として提案できない状況である。 上記研究成果は数値実験を充実させたのち3編程度の論文として執筆予定(一部執筆中)である。
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Research Products
(2 results)