2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト細胞周期の網羅的pathway mapの作成と構造解析
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21500290
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小田 夏奈江 Tokyo Medical and Dental University, 情報処理センター, 特任講師 (30527007)
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Keywords | ヒト細胞周期 / パスウェイ・マツプ |
Research Abstract |
本研究は、文献データベースから網羅的に根拠となるアキスト・データを収集することにより、ヒト細胞周期における詳細なパスウェイ・マップを作成し、そのパスウェイ構造を解き明かことにより、細胞周期システムの背後にあるロジックを探索し、遺伝子異常の連鎖とパスウェイ構造との関連性を検討することを目的としている。平成21年度は主に細胞周期マップの作成にあたった。マップの作成は、PubMedなどの医学文献データベースからテキストマイニング技術も利用して網羅的に関連文献を収集し、それらを丹念にすべて読み、CellDesignerというシミュレータ兼パスウェイ描画ソフトを用いて、一つ一つを反応にリンクさせていくという地道な手作業を続けた。生物学的に意味のある、信頼できるパスウェイ・マップの作成は、本研究の根幹を成す作業であることから、実に膨大な作業ではあるが丁寧に一つ一つの生化学的反応を吟味しつつ生体内物質間の相互作用の織りなすマップを作成しえた。このマップは、初年度の研究成果として現在論文投稿準備中である。 また、PathText(東京大学・辻井研究室)を用いた、パスウェイと文献の根拠テキスト・データとのリンクも手作業で行なった。パスウェイ上の反応矢印をクリックするだけで根拠となった文献の箇所が表示されるしくみになっており、一つ一つの反応の根拠となったテキストが瞬時にして分かるという新しい形のパスウェイ・データベースの姿を提供できるようになったと考えている。この成果は現在辻井研究室にて論文投稿準備中である。 このように初年度は、来年度以降のための土台作りに終始した感があるが、この土台がしっかりしていないと来年度以降の取り組みに支障をきたすため、しっかりと行えたことは大きな成果であったと考えている。
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