2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト細胞周期の網羅的pathway mapの作成と構造解析
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21500290
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小田 夏奈江 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 特任講師 (30527007)
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Keywords | ヒト細胞周期 / パスウェイ・マップ |
Research Abstract |
本研究は、文献データ-ベースから網羅的に根拠とするテキスト・データを収集することにより、ヒト細胞周期における詳細なパスウェイ・マップを作成し、そのパスウェイ構造を解き明かすことにより、細胞周期システムの背後にあるロジックを探索し、遺伝子異常の連鎖とパスウェイ構造との関連性を検討することを目的としている。 平成23年度は完成した細胞周期マップの更なるブラッシュアップとモデル化の方法論の試行錯誤に時間を費やした。 細胞周期マップは、医学文献データ-ベースに報告されている分子生物学的アプローチにより判明した化学反応を一つ一つ積み重ねていき、更にTRANSPATHなどの定評あるパスウェイ・データ-ベースも参考にして、網羅的に細胞周期に関連するパスウェイを構築し、それらを丹念にCellDesignerというシミュレータ兼パスウェイ描画ソフトを用いて作り上げた。細胞周期はガン発生及び進展に非常に関連の深い領域であり、研究も盛んで日々新たなる発見が相次いでいる。それゆえ細胞周期関連パスウェイ・マップも複雑を極めており、今回生物学的に意義のある、信頼できるパスウェイ・マップの作成し得たことは、世界中の本分野の研究者にとっても利用価値の高い成果であると思われる。 モデル化の方法論については、既存のパスウェイ研究やモデル化の研究を参考にしつつも、本研究のような巨大パスウェイのモデル化に見合う方法を独自に開発しようと試行錯誤を繰り返した。類似の研究はこれまでにないため、生物学的に意義のあるモデル化という点でたいへんな苦労を伴い、細胞周期システムの制御ロジックの解明には未だ至っていないが、今後とも研究を続け、ぜひともガンという病態システムを解明しガンの克服に貢献したいと考えている。
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