Research Abstract |
Ufm1修飾系は2004年に発見された最も新しいUbiquitin様のタンパク質修飾系である。申請者らはシナプス後肥厚部(PSD)画分中にUfm1系に関わる分子,Ufc1(E2様酵素)のmRNAを同定し,本研究を進めることになった。抗Ufm1抗体を作成して脳内在性のUfm1化タンパク質の検出を試みたが通常のウエスタンブロッティング法では不可能であるという結論に至った。つまり,非特異的でない,有意なバンドの検出が非常に困難であった。その理由としては,Ufm1化タンパク質の存在量が非常にわずかである,あるいはUfm1化されたタンパク質は恒常的には存在しておらずF,ターンオーバーが非常に早い事などが考えられた。次に,Cos7細胞にFlag-His-Ufm1-HA, Ufc1, Uba5を発現させ,その細胞ライセートから尿素可溶性画分を作成し,Western blottingを行って,Ufm1化基質候補タンパク質の絞り込みを行い,数本の候補バンドを同定した。それらはUfm1化されたUba5,その分解物,Ufm1化されたUfc1を含んでいた。それ以外には約25kDaの未知バンドが検出された。次に,細胞タンパク質をNiカラムにかけてUfm1化候補バンドを同定し,質量分析により4種の有望な候補タンパク質を同定した。それらのcDNAをクローニングし,Cos7細胞を用いたUfm1化検証システムに発現させて,真にUfm1化されるかについて,検証を行った。しかし,それらはUfm1化の基質である事を示すことができなかった。細胞ライセート内にUfm1基質が検出されない原因の一つとして,Ufm1化タンパク質の細胞外への放出が考えられたので,培養細胞から培養液を大量に集め,上記と同様の方法で,Ufm1化基質の同定を試みたが結果はネガティブであった。
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