2009 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポゾン技術を用いた男性型脱毛症ゲノム領域の機能解明
Project/Area Number |
21500388
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
國府 力 Osaka University, 先端科学イノベーションセンター, 特任准教授 (70379238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉良 正浩 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (90314335)
夘野 善弘 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80252683)
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Keywords | 疾患モデル / ゲノムエンジニアリング |
Research Abstract |
本研究は、ヒト・マウス間でシンテニーが保存されたPAX1-FOXA2遺伝子間ゲノム領域に着目してゲノム機能解析を行う。この約700kbに及ぶ区間内には既知の遺伝子はコードされていない。ところが、最近のゲノムワイド関連解析の結果、ヒト男性型脱毛症がこの領域に強い相関を示すことが報告された。そこで、研究代表者らが前研究課題(研究課題番号.: 18500327)から続けているマウスPaxl-Foxa2ゲノム領域の機能解析をさらに押し進め、非遺伝子領域であるにも関わらずphenotypeと相関しているメカニズムを解明し、非遺伝子ゲノム領域の汎用的モデル動物実験系を提案することを目的としている。今年度は、前研究課題で開発したローカルホッピング・トランスポゾンベクターによるシス調節ゲノム解析を発展させ、領域周辺のベクター挿入サイトをさらに数カ所増やすことにより解析精度を向上させた。この結果は、前研究課題の成果と併せて論文発表(Kokubu C. et al, Nature Genetics, 2009)するとともに、学会等で発表した。また、トランスポゾンベクターをES細胞内で転移させる方法に加えて、さらなる効率化を目指してマウス個体で転移させる方法を検討した。具体的には転移誘導酵素トランスポゼース(SB)を強発現するトランスジェニックマウスとの交配により、個体の生殖細胞系列での転移を誘導した。ROSA座位にノックインしたSBマウスではシングルコピーのトランスポゾンに対して数%の転移効率が得られた。現在、さらなる改良を行っている。以上、初年度に実施したトランスポゾンベクター挿入変異アリルの基盤整備と、SBトランスポゼースマウスの開発を踏まえて、次年度以降のゲノム機能解析に繋げてゆく。
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