2010 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポゾン技術を用いた男性型脱毛症ゲノム領域の機能解明
Project/Area Number |
21500388
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
國府 力 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 特任准教授 (70379238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉良 正浩 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (90314335)
夘野 善弘 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80252683)
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Keywords | 疾患モデル / ゲノムエンジニアリング / トランスポゾン |
Research Abstract |
平成22年度は、ゲノムワイド関連解析(Richards et al. Nature Genetics 2008 ; Hillmer et al.同2008)にてヒト男性型脱毛症と強い相関が認められるPax1-Foxa2遺伝子座間の非遺伝子ゲノム領域の機能解析を、以下3項目にわたって実施した。 (1) エンハンサーエレメントの機能解析:昨年度までに同定された数カ所のエンハンサーエレメシトを用いてトランスジェニック・レポーターアッセイを行い、各々のエレメントが転写促進活性を示す部位、組織、発現時期を検索した。今年度はレポーター遺伝子の発現に対するゲノム挿入部位の影響を最小限に抑える目的で、新たにインシュレーターが組み込まれたベクターを使用した。 (2) Pax1遺伝子の成体マウスにおける発現ドメインの明確化:Pax1遺伝子の発現は、これまで胎児期に比べて成体での解析が遅れていた。そこで、成体マウスの皮膚組織におけるPax1遺伝子の発現を切片のRNA in situ hybridization解析により検索した。また発現ドメインをより明確に描出するため、マウスPax1遺伝子座にLacZレポーターをノックインしたマウスを用いた解析を開始した。 (3) ローカルホッピング法によるゲノム領域探索の精密化:本ゲノム領域のさらに多様な挿入・欠失アリルを効率的に獲得するため、トランスポゾンベクターのローカルホッピングをES細胞のみならず個体レベルで実現するシステムの開発を開始した。トランスポゾン転移酵素の活性をさらに向上させることが必要であるため、転移酵素発現カセットCAG-SB11を、恒常的にオープンなクロマチン構造を取るROSA26遺伝子座にノックインしたマウスを作製した。
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