2011 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポゾン技術を用いた男性型脱毛症ゲノム領域の機能解明
Project/Area Number |
21500388
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
國府 力 大阪大学, 医学系研究科, 特任講師 (70379238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉良 正浩 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (90314335)
夘野 善弘 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80252683)
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Keywords | 疾患モデル / ゲノムエンジニアリング / トランスポゾン |
Research Abstract |
本プロジェクトは、2008年にゲノムワイド関連解析(GWAS)の結果、ヒト男性型脱毛症と強い相関が報告されたPAX1-FOXA2遺伝子座間の「非コード」ゲノム領域の機能解析を行い、併せて汎用的な非コードゲノム領域機能解析法の確立を指向するものである。プロジェクト開始後の3年間で、GWASに加えて全ゲノムシークエンス解析の急速な進展も加わり、一般的にも、予想を上回る多くの疾患がゲノム上の「非コード」領域にマップされることが分かってきた。ところが、多くの遺伝子の機能が解明されつつある現在においても、個々の「非コード」領域に対する機能アノテーションは、関連する疾患の機序を説明するに十分な質・量に達していないという現状があり、本プロジェクトのような研究の重要性はますます高まっている。そこで平成23年度は、過去2年間の成果を発展させ、 1)ローカルホッピング・トランスポゾンシステムによるゲノム領域探索において、ベクター挿入サイトの異なるES細胞クローンの収集サンプル数を飛躍的に増大し、該当ゲノム領域への挿入サイトの詳細な分布マップを作製した。 (2)公的データベースの異種ゲノム情報拡大に伴い、ニワトリ(G.gallus),軟骨魚類(Elephant Shark),ナメクジウオ(Amphioxus)等との比較ゲノム解析を追加し、進化的に保存された非コードゲノム領域の検索を強化した。 (3)(1)(2)の結果得られた新たな候補領域に対して、トランスジェニックアッセイによりエンハンサー活性を解析した結果、Pax1、Foxa2遺伝子の既知の発現ドメインのエンハンサーを新たに同定するとともに、どちらの遺伝子の内在性発現とも異なる新規の発現ドメインをコントロールするエンハンサー領域が同定された。
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