2010 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経再生におけるグルココルチコイド作用の蛍光イメージング解析
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21500412
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
藤原 浩芳 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (90381962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 真弓 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40295639)
小田 良 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (80516469)
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Keywords | グルココルチコイド / 末梢神経 / イメージング |
Research Abstract |
本研究の目的は、末梢神経再生現象および関連する分子メカニズムを可視化することで、新たな再生評価法を検討することである。さらに、ステロイドホルモンの一つであるグルココルチコイドの神経再生における役割を解明することで、神経再生への新たな薬物治療としての応用を検討することである。ラットの両側の副腎摘出(ADX)を行い,コルチコステロン(CORT)を0mg/kg, 1mg/kg, 10mg/kgの濃度で毎日腹腔内投与した.それぞれADX群,低用量群,高用量群とした.免疫染色の結果,GRはシュワン細胞に存在し,GRの蛍光強度は,ADX群で対照群と比較して有意に低下し,低用量群および高用量群では上昇していた.MBPの遺伝子発現量は,ADX群で対照群より有意に低下し,低用量群および高用量群で有意に上昇していた.P0でもMBPと同様の傾向を示した.MBPの蛋白発現量は,ADX群で対照群より有意に低下し,低用量群で効果が回復した.髄鞘の組織学的評価では,髄鞘径および髄鞘厚は対照群および低用量群で有意に高値であった.g-ratioの比較では,高用量群より低用量群で良好な髄鞘形成効果を認めた. 本研究の結果,in vivoでGRが,正常および損傷坐骨神経においてシュワン細胞に存在し,血中GC濃度に応答して末梢神経損傷後の髄鞘形成に関与していることが明らかになった.また,血中CORT濃度による髄鞘形成効果は,高用量群より低用量群で良好であった.グルココルチコイド受容体(GR)が、末梢神経障害後のシュワン細胞に強く発現し、再生において何らかの機能を有することが示唆された。
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