2009 Fiscal Year Annual Research Report
介護、医療現場に応用しやすい簡便な高齢者用運動様式に関する研究
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21500467
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 進 Nagoya University, 医学部, 助教 (50452199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 和徳 首都大学東京, 都市教養学部, 准教授 (10357775)
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Keywords | ポールウォーキング / 膝関節内反モーメント / 中高齢者 / デイサービス / 在宅高齢者 / 変形性膝関節症 / 姿勢 / 健康増進 |
Research Abstract |
本研究目的は、スキーストック様のポールを両手に持ち歩行するストック歩行(ポールウォーキング)の運動特性を解析し、高齢者や有疾患者(変形性膝関節症など)に応用しその効果の検証と適切な運動処方を構築することである。そのため研究は3つに細分化される。1、健常者を対象にポールウォーキングの運動特性を解析する。2、高齢者、特に在宅高齢者が最も多く利用する施設であるデイサービスで応用し、地域在住高齢者の運動機能向上方法を確立するため、その介入効果を検証する。3、有疾患症例へのポールウォーキングの応用とその効果を検証する。平成21年度はその内の1を実施した。健常大学生23名(男性13名、女性10名)を対象に、通常歩行、ポールウォーキング(ポールを前方に交互に出して歩く簡易な歩行)、ノルディックウォーキング(ポールを後方に押して推進力を増す歩行)の3種類の3次元動作解析を実施した。また、事前研究でポールを使用した歩行は、歩幅が増大し各関節にかかる力がそれに伴い変化するため、本研究では歩幅をそろえて行った。その結果、歩行よりも2つのポールを使用した歩行で膝が曲がる力が強くかかり、膝が0脚になる力が減少していた。特に、歩行時に踵が床について体重がかかる時期においては、ポールウォーキングのみ歩行よりも0脚になる力が減少していた。これらの結果から、ポールを利用した歩行は、膝を伸ばす力(大腿四頭筋)の筋力強化となり、変形性膝関節症の悪化因子である0脚方向への力が少ない運動と推察された。中高齢者における変形性膝関節症の罹患率は高くまた体重過多などのメタボリックシンドロームと合併することも多い。それらの対象者に膝への横方向の力(0脚になる力)がかからずできる運動(膝の症状を悪化させず、脂肪燃焼などの運動効果を得る)は、今後重要になってくると考えられる。
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