2010 Fiscal Year Annual Research Report
重度肢体不自由者のためのポインティングデバイス制御の研究
Project/Area Number |
21500526
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
渡辺 崇史 日本福祉大学, 健康科学部, 准教授 (30410765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 卓朗 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (50351200)
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Keywords | リハビリテーション工学 / 支援技術 / ユーザーインタフェース / ポインティングデバイス / 障害者 |
Research Abstract |
平成21年度実施した運動計測データを元にして,ポインティングデバイス操作に対応してパソコン画面上を移動するマウスカーソルの動きを制御するカーソル移動制御ソフトウェア以下,CMC)の構想設計および試作を行った.CMCは,肢体不自由の障がいのある人がポインティングデバイスを利用してパソコン操作活動をする時,個々人の手指等の筋力関節可動域,巧緻性等に対応した,より適切な操作を実現できるようにすること,進行性疾患のある人ができるだけ現在の操作環現を利用し続けられるようにすること等を目的としている.今回のCMCは,利用者のポインティングデバイス操作によるカーソル移動を4つの独立したベクトル量と見なして,個々に方向と移動量を任意に設定可能とし,独立制御,2方向,方向変換の3制御モードを試作した.独立制御モードでは,任意の方向がカーソル移動の上下左右となるように,それぞれのベクトル量を個別に可変設定できるモードである.2方向モードは,設定した範囲内のカーソル移動であれば,垂直または水平のいずれかに動くモードである.方向変換モードは,垂直あるいは水平のいずれかの方向しか移動しないモードである.ただし,設定された時間だけカーソルを停止させれば,移動方向の切替えは可能である.また,いずれのモードにおいてもカーソル移動速度は上下左右の個別に設定可能である.試作したCMCは,作業療法士等の専門家へのヒアリングを行い,障がいのある人への適用範囲等において有用な意見を得ることができた.今後は人の操作による実験評価および実際の利用場面における有効性実証評価を行う予定である.なお,平成22年度においてはCMCの研究結果に対して広く意見を求めるために,学会発表論文(国内1,海外1)を執筆した.
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