2011 Fiscal Year Annual Research Report
重度肢体不自由者のためのポインティングデバイス制御の研究
Project/Area Number |
21500526
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
渡辺 崇史 日本福祉大学, 健康科学部, 准教授 (30410765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 卓朗 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (50351200)
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Keywords | リハビリテーション工学 / 支援技術 / ユーザインタフェース / ポインティングデバイス / 障害者 |
Research Abstract |
一昨年度実施した運動計測データを基にして試作した,ポインティングデバイス操作に対応してパソコン画面上を移動するマウスカーソルの動きを制御する,カーソル移動制御ソフトウェア(似下,CMC)の有効性の検証および改良を行った.CMCは肢体不自由の障がいのある人がポインティングデバイスを利用してパソコン操作活動をする時,個々人の手指等の筋力,関節可動域,巧緻性等に対応した,より適切な操作を実現できるようにすることを目的としている.また,CMCはポインティングデバイス操作による上下左右へのカーソル移動を4つの独立したベクトル量と見なして,個々に方向と移動量を任意に設定可能としたソフトウェアである. CMCの有効性の検証においては,神経筋疾患のある重度肢体不自由者(似下,実験協力者)への適用を試みた.実験協力者は手指の関節可動域にばらつきがあること,側臥位姿勢にてパソコンディスプレイを見ながら操作することから,カーソル移動に困難さを持っていた.そこで,CMCの独立制御モード(任意の方向がカーソル移動の上下左右となるように,それぞれのベクトル量を個別に可変設定できるモード)を適用し,実験協力者の身体状況(ポインティングデバイス操作)に合わせて設定した結果,カーソル移動に改善が見られ,楽に操作ができるようになり,当該ソフトウェアの有効性が確かめられた. 本研究成果は国内および国際学会で発表した.さらにポインティングデバイス操作におけるカーソル移動特性を論文にまとめた(現在,投稿中).また,有効性検証結果を基にして改良を加えた日本語版および英語版のCMCを作成して配布可能とし,今後より広く利用できるようにした.
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