2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500581
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
香田 泰子 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (50234696)
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Keywords | 視覚障害者 / 体力 / 測定方法 |
Research Abstract |
本研究は視覚障害者の体力の現状を明らかにするとともに、学校体育やスポーツ現場における測定で、視覚障害による不利や悪影響を軽減するためにその測定方法についての検討を行うことを目的とした。今年度は昨年度に引き続き視覚障害者を対象に文部科学省新体力テストを実施し、視覚障害者の体力状況を検討した。その結果、視覚障害者全般で見ると晴眼者よりもほとんどの項目で測定結果が低く、体力が低い傾向がみられた。視覚障害の程度からみると、障害の程度が重い盲者のほうが、程度が軽い弱視者よりも体力レベルが低い傾向にあった。運動やスポーツの実施の状況との関連をみると、晴眼者と同様に運動・スポーツの実施の有無が体力の高低に影響していることが示唆された。体力測定の方法に関しては、今年度は全身持久力の方法についての検討を行った。視覚障害者および晴眼者を対象に文部科学省新体力テストの測定項目である20mシャトルランテストと、自転車エルゴメーターを用いた漸増負荷テストを行い、双方の結果から求められる推定最大酸素摂取量の結果を検討した。その結果、視覚障害者および晴眼者ともに両者に有意な相関が認められ、視覚障害者においても20mシャトルランテストを用いることで全身持久力の測定が可能であることが示唆された。視覚障害者を対象にシャトルランテストのやり方に関するアンケート調査をおこなったところ、安全が確保される環境で、熟練した伴走者がついての測定、あるいは適切な聴覚情報(視覚情報を補償する音声や音源の設置)や触覚情報(足裏の感覚でラインをわかりやすくする等)を用意することで、大きな支障なくシャトルランテストが実施できると感じていることが明らかになった。
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