2010 Fiscal Year Annual Research Report
水泳の基本動作「けのび」の巧拙と運動感覚情報の数量化
Project/Area Number |
21500589
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
合屋 十四秋 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90109372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 敦典 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (40190384)
寺本 圭輔 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70362308)
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Keywords | けのび / 中.高校生 / キネマティックおよびキネティック情報と運動感覚 / 腰と上体の安定 / 腰と首の力を抜く / 体幹部分に対する意識と指導内容 / 「けのび」姿勢の安定性の認識と安全教育 |
Research Abstract |
本年度は,水中の動きとあわせて運動感覚情報との関連を中学生,および高校生を被検者の対象として,実験およびアンケート調査を行い,考察した.具体的には,キネマティックおよびキネティック情報と運動感覚情報の階層構造およびラセン構造のマッチングの度合と,発育発達にともなうこれらの指標の変容を探ることとした.また,これまでのエリート選手を含めた研究成果も合わせて検討した.その結果,男女ともにエリート選手から中学生を含めた全体では,0.5sec時の重心移動速度と到達距離に有意な相関が認められた.女子では,エリート選手,高校生,中学生に投射角と到達距離との間に有意な負の相関が認められた.男子では,エリート選手から中学生を含めた全体で,体重当たりの力積と到達距離との間に有意な相関が認められた.このことから,女子では離地後,水平方向に姿勢をとること,男子では壁を強く蹴ることによって到達距離を大きく伸ばしていると考えられた.一方,けのびの動作認識については"腰と上体が安定しているか""腰と首の力は抜けているか"など,体幹部分に対する意識があまり無い中・高校生被検者が半数を超えていた.すなわち,体幹に対する認識は到達距離が短い被検者には意識しづらいことが明らかになった.このような水泳技術の基礎,基本となる「けのび」姿勢の安定性の認識は学習指導内容と水中安全能力に関連していくことが示唆された.
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