2009 Fiscal Year Annual Research Report
新外国人住民のアイデンティティ形成にスポーツが果たす意義と役割
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21500590
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
平井 肇 Shiga University, 教育学部, 教授 (70199032)
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Keywords | スポーツ / 移民 / 同化 / 地域社会 / スポーツ社会学 |
Research Abstract |
本年度は、国境を越えて移動し、異国に定住ないしは半定住する人々にとって、スポーツが彼らの内向きおよび外向きのアイデンティティ形成に際して果たす社会・文化的な意義や役割に注目し、分析・検討をして行くための初期の段階として、資料の収集と関係者への面接を中心に調査を行った。具体的には、以下の項目について調査を実施した。 オーストラリアにおける南欧・東欧からの移民コミュニティにとってのサッカークラブの意義と役割について、豪メルボルンのディーキン大学、モナッシュ大学、ビクトリア大学の研究者と情報・意見交流を行った。また、実際にサッカークラブを訪問し、運営に関係している人たちや試合観戦者に対して聞き取りを行った。その結果、彼らにとって、クラブは、アイデンティティの形成から職の斡旋に至るまで、日常生活で重要な役割を果たしている存在であって、サッカークラブが果たす役割は単なる娯楽提供の場だけではないことが明らかになった。 日本最初の外国人スポーツクラブであるYokohama Country and Athletic Clubの歴史と現状について調査を行った。YC & ACの歴史的意義と役割について、一橋大学図書館で文献収集を行い、現在の活動に関わって、施設の見学と関係者への聞き取りを行った。その結果、YC & ACが日本へのスポーツの伝播と普及に果たしてきた歴史的や役割について、その重要性が再認識できたとともに、現在も外国人のコミュニティ形成と現地(日本)社会を結びつけるのに一定の役割を維持していることが確認された。
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