2011 Fiscal Year Annual Research Report
動的立位バランスの評価と機能向上プログラムの構成:COPに着目して
Project/Area Number |
21500597
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
渡部 和彦 広島大学, 大学院・教育学研究科, 名誉教授 (20057699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 良昌 広島大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (00397978)
王 芸 岩国短期大学, 幼児教育科, 講師 (80457275)
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Keywords | 立位姿勢 / 転倒回避 / トレーニング / バランス / 動的姿勢 / 外乱 |
Research Abstract |
今年度は、3カ年の研究計画の最終年度にあたるので、研究の総括を念頭に入れて研究概要をまとめ報告する。高齢者のバランス機能の向上を目的として、「踏みなおり反応動作(Placing reaction movement)」の随意的な導入による転倒回避プログラムを検証した。この方法は、閉眼で自ら支持面の限界まで、COPを前または後に移動させたのち、素早く一歩踏み出すことにより、姿勢保持の対応を学習させるもので、安全かつ効果的方法であることを確認した。中・高齢の被験者に対して、この方法による訓練を実施した結果、バランス機能および動作の制御機能の向上が一定程度認められた。 バランス機能の向上には、「外乱刺激(水平移動)に対するバランス適応」が基本的に重要である。この原理の応用仮題として、「踏みなおり反応動作プログラム」を考案し、その実践により効果を確認することができた。今年度は、さらに、他動的な「水平外乱条件」に対する、バランス制御の解析を試みた。これは、身体重心位置(COP)を他動的に移動させ、意図的に不安定な条件を作り、動的バランス機能を評価するものである。「踏みなおり反応」の応用として、「ステップ・ストラテジー」による足部の前または後方への移動によって、COPを確保し転倒を回避する方法である。この方法は、より、実際的な転倒回避方法の開発に発展できる可能性がある。比較的安価で簡単な「踏みなおり反応」のプログラムと共に、新たに導入した、外乱装置を用いたプログラムの活用とその効果を検証できたことは大きな成果である。
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Research Products
(8 results)