Research Abstract |
平成21年度の研究によって,股関節筋力のアイソメトリックな筋力測定機を開発し,それを用いて中高齢者に対して股関節筋力の測定を実施した.その結果,いくつかの問題点は発見されたが,アイソメトリックな筋力の測定においてはある程度,妥当な方法であることが検証された.本年度においては,動的な股関節筋力計を開発することを目的としている. 大腿と腹部を固定し,股関節を屈曲させながら,その回転速度を測定することにより,動的な筋力を推定する機器を試作した.その際,屈曲の抵抗力を数段階に変更できるよう,屈曲部にバネを装着した.当該装置を用いて測定を実施したがいくつかの問題点が明らかとなった.つまり,股関節筋力においては非常に大きな筋力が発揮されるため,抵抗となるバネもバネ定数が大きい強力なものを使用するが,その抵抗値が上がるほど,腹部および大腿部の固定部分に大きな負荷がかかり,固定がむずかしくなるため,被験者が全力で試技をすることが困難になること,また,強力なバネを使用することにより,装置自体の重量が大きくなるため,そのことが試技に影響を及ぼしてしまう,という2点である. 設計および製作を担当する企業と連携して,試作機の改良を何度かおこなったが,測定装置の身体への固定方法,および軽量化は,当該測定に耐えられるほどの改良は実現できなかった.このことから,次年度以降はアイソメトリックな筋力測定方法により,股関節筋力を測定していく方法を採用することとなった.
|