2010 Fiscal Year Annual Research Report
閉経後の部位別骨密度と姿勢-脊柱変形の原因及び予防の検討-
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21500660
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
横澤 喜久子 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (60086379)
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Keywords | 骨密度 / 姿勢 / 脊柱彎曲 / 生活習慣調査 / 身体組成 / スパイナルマウス / 胸椎後彎角 / 腰椎前彎角 |
Research Abstract |
女性の部位別骨密度の低下率とその原因、また加齢による姿勢の変化の具体的基礎資料を作成することを目的に閉経後の女性および18~19歳の女子学生を対象に測定および比較を行っている。 閉経後の女性は昨年度に加え46歳~91歳の116名の結果を分析した。骨密度の部位別測定結果から、すべての部位で年齢及び体重と骨密度は有意な相関が認められた。全身骨密度で見ると閉経後10年間(55~59歳)は加齢と共に激減し、その後漸減傾向を示すが、部位別にみると、肋骨、椎骨、胴体、は同じ傾向であるが、骨盤、脚は20年間(65~69歳)激減し、その後は緩やかな漸減傾向を示した。肋骨はもっとも骨密度の低い部位であるが、60~64歳以降の骨密度の低値は骨折の危険性を示唆している。頭部と腕は10年後以降の減少が少ない。体重との関係でもっとも高い相関を示したのが、肋骨と胴体であり、骨盤や脚のような体重を支える部位の方が低かったことは興味深く、今後日常生活の身体活動量との関係を調べていく。 姿勢の変化を見る1つとしてスパイナルマウスによる脊柱の矢状姿勢の形状測定、胸椎後彎角と腰椎前彎角と可動域の測定を行った。年齢と腰椎前彎角は正の、仙骨傾斜角は負の有意な相関がみとめられたが、胸椎後彎角と可動域については年齢との相関は認められなかった。加齢と共に腰椎の前彎が減少し、仙骨の傾斜は深くなる。これらの原因について他の測定項目の脊柱の可動域、ジョグボードによる重心安定度、体力測定、質問調査等との関係を調べていく。養護老人ホームの入居者等を対象にスパイナルマウスによる立位姿勢アライメント変化を見る研究はあるが、自力で生活が出来、立位姿勢の前面、背面、側面の写真撮影から見ても、姿勢の変化が少なく、全体的に元気な対象者の測定は少ない。今後多くなる高齢者の健康維持に参考になるデータが得られると考えられる。
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