2010 Fiscal Year Annual Research Report
認知症患者における失語経緯の言語的解析と発症予防効果
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21500691
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
案田 順子 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (40176011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 祥夫 群馬県立群馬産業技術センター, 生産システム係, 係長 (70310232)
木村 憲洋 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 准教授 (50458452)
石坂 公俊 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 講師 (10438757)
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Keywords | 認知症 / 老化 / 非薬物療法 / かなひろいテスト / 言語学 / 文字チェック / 母音 / 脳リハビリテーション |
Research Abstract |
本年度は、軽度認知障害の脳リハビリを目的としたゲームの開発に必須条件である次の2項目を中心とした分析ならびに考察を実施した。 第1に「かなひろいテスト」の母音箇所による難易度を加味し新たな判別基準を独自に作成した。単純な「量的解釈」から難易度を考慮した「質的解釈」を可能にすることで、母音取得個数と意味把握だけの判断を脱し、個々人の強化すべき母音やその場所を知ることで、言語認識活性化の判断材料が得られるようになった。 第2に文字数40、100、200、400、600の文中に母音を10、25、50、100、150と、すべて、本文全語数の1/4を組み込むように整えた完全オリジナル版「NO!NANDA文字遊び」(仮)を作成した。さらに5種類の文章を、文脈上整ったもの、文字をランダム化し母音を拾うことだけを目的にしたもの、さらにこれらを縦書きと横書きにしたものの4パターンで作成、被験者の状況に合わせて適宜、使えるように配慮した。文章の物語性に工夫を凝らし、キーワードチェック表も添えた。また集計の簡便化を図り、文章のライン毎に母音数を提示し、個々の被験者が容易に自身の結果を集計出来るように工夫し、データを認知機能検査に活用する際にも結果が簡単に把握できるようにもした。これによって認知症初期に極端に落ちやすいエピソード記憶、注意分割機能、計画力(思考力)の3機能の中、「注意分割機能」を集中的に鍛え、認知症発症を遅らす一手段として再構築できよう。また、一拍ごとに○を配し、母音抽出には○の中を鉛筆で黒く塗ってもらうという二種類の作業を繰り返すことにより、前頭前野の実行機能の働きを活発化することに期待がもてる。 特に軽度認知障害の場合、周囲の人間とのコミュニケーションを図りながらの脳リハビリが非常に効果的であることから、次年度は家族や職員と一緒に「笑顔」と「励まし」、「和やかな雰囲気」の中で実施できるリハビリテーションゲームの開発をさらに進めていく。
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Research Products
(1 results)