2009 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧に伴う酸化・ニトロ化傷害への長期運動効果の分子機構をモデルラットで解明する
Project/Area Number |
21500695
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山倉 文幸 Juntendo University, 医療看護学部, 教授 (20053358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 広明 順天堂大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (40531380)
内藤 久士 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (70188861)
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Keywords | 自然発症高血圧ラット / 自発走トレーニング / 酸化傷害 / 大脳皮質 / 4-ヒドロキシノネナール / グルタチオンペルオキシダーゼ |
Research Abstract |
【目的】高血圧発症者の運動療法のモデルとして、高血圧発症後(15週齢)10週間の自発走トレーニングを自然発症高血圧ラット(SHR)に行わせた。21年度は脳における酸化傷害マーカーの検出、および抗酸化酵素の測定を行うことにより、運動トレーニングがSHRの脳の酸化傷害に及ぼす効果を検討した。【方法】15週齢のオスSHRを非運動群、および10週間の自発走トレーニング群に分けた。5および15週齢SHRを高血圧発症前,直後のコントロールとした。各SHR群から速やかに大動脈血管と脳を摘出し、細胞を分画後、酸化傷害マーカーとして、4-ヒドロキシノネナール(HNE)を時間分解蛍光イムノアッセイ法で定量し、抗酸化酵素類はウエスタンブロット法で定量した。【結果】可溶性(S)画分でのHNE量は5,15,25週齢非運動群で有意差はなかったが、運動群で減少した。ミトコンドリア(Mit)画分では25週齢非運動群のHNEが上昇したが、運動はその上昇を抑制する傾向を示した。25週齢においては、活性酸素発生系酵素のNADPH oxidaseやキサンチンオキシダーゼ量が増加したが、運動による変化はなかった。抗酸化酵素では、S画分とMit画分のグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)が25週齢で有意に増加し、Mitでは運動トレーニング群での更なる増加が見られた。【結論】SHRの10週間の高血圧持続は大脳での活性酸素発生を増加させる。しかし、同時に抗酸化酵素一種(GPx)の量も増加する。運動はその抗酸化酵素の更なる増加を生じさせ、その結果酸化生成物であるHNEの生成が軽減したと考えられる。【意義】(1) 高血圧の持続は大脳に於いても酸化傷害を引き起こすが、運動はそれを改善する。(2) その改善の仕組みの一端としてGPx酵素量の運動による増加が明らかになった。
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Research Products
(6 results)