2009 Fiscal Year Annual Research Report
ミネラルバランスと水構造の解析に基づいたおいしい水指標の提案
Project/Area Number |
21500770
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Research Institution | Hagoromo International University |
Principal Investigator |
池 晶子 Hagoromo International University, 人間生活学部, 准教授 (70379139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田野 晃 羽衣国際大学, 人間生活学部, 教授 (40081575)
川瀬 雅也 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (90224782)
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Keywords | 食嗜好と評価 / 飲料水 |
Research Abstract |
市販のミネラルウォーターの人気が高まるなか、諸外国と比較して安価で良質なわが国の水道水を再評価し、新しい「水のおいしさ指標」を提案するとともに、水道水の成分調整により味覚満足度を向上させる手法開発に必要な基礎的情報を提供することを主眼として、平成21年度は(1)国内各地の水道水サンプルの収集(2)水サンプルの微量含有ミネラル等の分析(3)水サンプルの味覚官能試験(4)統計解析を行った。 国内各地の自治体水道局が市販・配布しているボトル詰め水道水14サンプルを収集し、公表されている水質データより、採取水源情報やNa,K,Ca,Mg等のミネラル含有量を調査した。サンプルはさまざまなミネラルバランスを示したが、総硬度は20~86mg/Lを示し、いずれも軟水に属することが分かった。さらに微量の成分を含めた約80種類のミネラル分析をICP-MSにて行った。 次に14種類の水道水を、内部標準とする2種類を含んだ2グループに分けて、50数人の大学生をパネラーとしておいしさの順位をつける方法で味覚官能試験を行い、その結果より14種類を3段階の味覚レベルに分類することができた。さらに、水質分析結果と味覚レベルのデータを遺伝的アルゴリズム解析および重回帰分析により統計解析し、味覚レベルに深く関与するミネラル成分を探したが、今回の解析からは該当するものは得られなかった。その理由として、今回の味覚官能試験の手法が適正でなく、試飲パネラーの状態や試飲方法が一定でなく、順位をつける評価方法にもバラツキの原因があり、そのため、味覚レベルの結果の信頼性を低くしていると推察された。 今年度は、国内の水道水がいずれも軟水に属しながら様々なミネラルバランスを示し、官能試験の結果より味覚の上でも大いに多様性を示すことを明らかにしたことは意義深い。次年度はパネラーの事前飲食などの状態や飲み方の統一、評価項目の細分化を行い、再度官能試験を行う予定である。
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