2010 Fiscal Year Annual Research Report
ミネラルバランスと水構造の解析に基づいたおいしい水指標の提案
Project/Area Number |
21500770
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Research Institution | Hagoromo International University |
Principal Investigator |
池 晶子 羽衣国際大学, 人間生活学部, 准教授 (70379139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田野 晃 羽衣国際大学, 人間生活学部, 教授 (40081575)
川瀬 雅也 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (90224782)
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Keywords | 食嗜好と評価 / 飲料水 |
Research Abstract |
H22年度は、H21年度の反省課題であった統計解析の信頼度向上の為に、一度に8種類の水道水を飲み比べて順位づけをし、3段階にレベル分けする順位法に加え、それぞれの水道水を基準となる特定の水と比較して評価する基準比較法という新たな味覚官能試験方法を試みた。基準比較法では「美味しさ」だけでなく、「爽快感」、「喉越し」、「軟らかさ」、「後味」、「飲みやすさ」の項目を設け、それぞれに対して評価した。また、味覚官能試験の試飲時に匂いなどの影響を極力なくす為に、コップや冷却容器にも配慮した。 ミネラル成分の再分析も行い、pH、総硬度の分析値も加え、統計解析を再度試みた結果、精度の高い味覚官能試験結果が得られ、統計解析により味覚に寄与する要因を抽出することができた。 順位法および基準比較法の結果と、ミネラル成分分析値を基に、遺伝的アルゴリズム解析で重要因子を抽出し、部分最小二乗法(PLS)で解析したところ、異なる官能試験方法で共通して、Li,Fe,Cu,Mo,Pbが水の美味しさに寄与している可能性が示された。 また、「爽快感」などの細かい項目のPLS解析から抽出されたミネラル成分結果より、美味しさとは単にひとつの感覚からではなく、飲用時の様々な感覚が絡み合うことで構成されているものと推察できた。共分散構造分析結果からも複数の要素が美味しさに寄与していることが示された。 さらに、基準比較法のなかの「爽快感」などの項目と「美味しさ」の関係を、共分散構造分析を用いて評価したところ、「爽快感」、「喉越し」、「軟らかさ」を含む飲料時の感覚が美味しさに対しての寄与が大きいということが示唆された。また同様に、ミネラル成分やpH、硬度などの物性と「美味しさ」の関係についても共分散構造解析を行ったところ、美味しさには硬度が最も寄与していること、ミネラル成分では軽元素のNa,Mg,Ca、重金属ではFe,Co,Moの寄与が示されたがこの結果は、PLS解析の結果を裏付けるものであった。
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