2010 Fiscal Year Annual Research Report
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21500800
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
千原 猛 藤田保健衛生大学, 藤田記念七栗研究所, 講師 (00217241)
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Keywords | GFO / デキストラン硫酸ナトリウム / 潰瘍性大腸炎 / 赤血球ポリアミン / 大腸粘膜異型腺窩巣 |
Research Abstract |
急増し数年内に死因の第1位を占めると予想される大腸癌のリスクファクターは、潰瘍性大腸炎とクローン病を代表とする難治性炎症性腸疾患である。そのため、その予防・病状改善は発癌予防につながると考え、昨年より連携研究者の東口らが経口・経腸栄養療法で腸管に対する著しい臨床効果を報告しているGFO(G:グルタミン、F:水溶性ファイバー、O:オリゴ糖)に注目し、その摂取がデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発マウス潰瘍性大腸炎に及ぼす影響を検討している。昨年はGFOを基礎飼料に混餌して検討したが、本年はヒトのGFO摂取状況を考慮し経口投与で検討した。雄性C57BL/6jマウス(9~11週齢)を用い、2%DSS溶液を飲水で投与するとともに、GFOを4g/kg体重用量で1日2回(8、20時)経口投与した(GFO群)。なお、対照として飲水は水およびDSS溶液で、ともにGFO溶液と同量の水を経口投与する群を設けた(対照群、DSS群)。DSS投与開始12日後に解剖を行い、本モデルの特徴である大腸長を測定した。その結果、対照群に対しDSS群もGFO群も有意に短縮していたが、p値はそれぞれp<0.01、p<0.05であった。細胞増殖性マーカーである赤血球ポリアミンのスペルミジンとスペルミン値は、対照群に対しDSS群は有意に増加したが、GFO群では有意な増加はみられなかった。続いて、GFOの大腸前癌病変に対する修飾作用として、雄性ICRマウス(5週齢)を用いFemiaら(2009)の報告を参照に検討した。アゾキシメタン投与後に2%DSSを飲水投与し前癌病変を誘発するが、そのDSS投与期間中にマウス系統およびDSS濃度を考慮しGFOを0.2g/kg体重用量で1日2回経口投与した。その結果、前癌病変の大腸粘膜異型腺窩巣では抑制効果はみられず、現在もう1つの前癌病変であるムチン発現陰性巣の測定を行っている。
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Research Products
(1 results)