2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21500800
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
千原 猛 藤田保健衛生大学, 藤田記念七栗研究所, 講師 (00217241)
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Keywords | グルタミン / 水溶性ファイバー / オリゴ糖 / デキストラン硫酸ナトリウム / 潰瘍性大腸炎 / 赤血球ポリアミン |
Research Abstract |
潰瘍性大腸炎は大腸癌のリスクファクターである。その予防・病状改善は発癌予防になると考え、連携研究者の東口らが腸管に対する臨床効果を報告している経口栄養食品GFO(G:グルタミン、F:水溶性ファイバー、O:オリゴ糖)を用い、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発マウス潰瘍性大腸炎モデルへの影響を検討している。本年は今後、本モデルに対するG、F、0の最適混合比率の検討が必要と考え、まずそれぞれの市販品を用いたGFOと同等割合の混合物(GFO混合物)での検討。さらに、DSSによる体重減少抑制のために、担癌動物でその作用が報告されているβ-Hydroxy-β-Methylbutyrate(HOB)との混合で検討を行った。雄性ICRマウスを1~4の4群に分け、飲水として1群に水、2~4群に2.5%DSS溶液を与えた。飼料は1と2群に基礎飼料、3と4群は0.5%GFO混合物混餌とし、さらに4群にのみHMBを他群にはPBSを1日1回経口投与した。実験開始10日後に大腸長を測定した結果、1群に対し他群は有意に短縮したが、p値はp<0.01(2、3群)、p<0.05(4群)であった。体重には有意な変化はなかったが、最終体重では2群が実験開始時に比べ6%減少に対し、3群は0.8%減少、4群は0.8%増加していた。脾臓相対重量は2群に対し1と4群は有意に低重量(68%、40%減少)で、3群も21%減少であった。ヘモグロビン濃度は、2群に対し1と4群は有意に高値(2.1倍、1.5倍)で、3群も1.3倍であった。細胞増殖性マーカーの赤血球ポリアミンも、1群に対し2群(p<0.001)と3群(p<0.01)は有意に増加したが、4群は有意な増加はなかった。3群は大腸長の短縮抑制は認められなかったが、他の項目では改善傾向を示した。現在、これらの作用機序解明と大腸前癌病変に対する修飾作用を検討中である。
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