2010 Fiscal Year Annual Research Report
初年次教育プログラム構築に向けたデザイン実験による効果検証
Project/Area Number |
21500899
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
森 朋子 島根大学, 教育開発センター, 准教授 (50397767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 剛史 島根大学, 教育開発センター, 准教授 (40379029)
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Keywords | 初年次教育 / 学習・学習科学研究 / デザイン実験 / エスノグラフィ / 調査と教育改善の連動 / 教育効果の検証 / 学習プロセス / 学士課程教育 |
Research Abstract |
22年度は初年次教育の5類型において特に「プロジェクトワーク型」と「専門分野導入型」に関する拡張調査を行った。本学の初年次教育タイプは,本研究で扱う5類型に限定されるわけではなく,5類型を複数取り入れた多くのバリエーションの存在を明らかにした。 法文学部言語文化学科では適切な評価を行うためのルーブリックを開発した。さらに生物資源科学部農業生産学科においても同様に評価ルーブリックを開発した。専門分野導入型の初年次教育を採用している総合理工学部では,スキルや態度を中心に高校から学士課程教育への移行を考える狭義の初年次教育のみでは対応できない,基礎学力不足問題が新たに浮上した。本研究では学生の多様化および個別化に対応する包括的な理工学部初年次教育のモデル化を目指し,23年度は学士課程教育と連動する修学サポートプログラムの構築を行い,その効果を検討した。その結果,狭義の初年次教育においてスキルと態度に関しての配慮を行うこと,また基礎学力不足では入学前教育を含む修学サポートプログラムにおいて複数の教育プログラムを開発し,個々の学生の高校までの学習履歴や理解度に合わせて細やかにサポートすることで,学士課程教育への移行がスムーズになることが明らかになった。また修学サポートにおいては,教員によるサポートより学士課程教育の先輩である上回生のサポートが有効なことがわかった。これはピアサポート特有のスキャフォールディングと位置づけられ,その活用を今後さらに検討する。
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