2011 Fiscal Year Annual Research Report
初年次教育プログラム構築に向けたデザイン実験による効果検証
Project/Area Number |
21500899
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
森 朋子 島根大学, 教育開発センター, 准教授 (50397767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 剛史 愛媛大学, 教育企画室, 准教授 (40379029)
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Keywords | 初年次教育 / 学習・学習科学研究 / デザイン実験 / エスノグラフィ / 調査と教育改善の連動 / 教育効果の検証 / 学習プロセス / 学士課程教育 |
Research Abstract |
平成23年度は,地方国立S大学を対象に学生の多様化の現状をより詳しく調査した上でタイプ化し,どの学生がいずれの初年次教育タイプまたは複合タイプを受ければ,高校から大学へのスムーズな移行が確立できるのか,について取り組んだ。その結果,調査対象大学においては大きく分けて,1)基礎学力不足,2)コミュニケーション能力など技能不足,3)意欲・目的不足,4)高い学力を持つ浮きこぼれ現象,の4つのタイプがあることが明らかになった。いずれにせよ,単独で現れるものは少なく,特に1)~3)にかけては,一人の学生が複数の多様化の要因を抱えている場合も多い。またこれまで大きくクローズアップされていないが,4)の浮きこぼれの問題は深刻であり,不本意入学者として不登校になるケースもいくつか見られた。そこで2009年度入学者のX学科の学生64名を3年間追跡調査し,その多様な学生の学習プロセスを分析した。 このように初年次における学生の多様化には,1つの正課初年次教育授業で対応していくのみならず,多くの成果外学習や活動を複合的に組み合わせた包括的な初年次教育プログラムの構築が必要であることが明らかになった。また基礎学力不足には,同じ教科であっても高校と大学の認知的接続に問題があることもわかった。また他者が学習に大きな影響を与えており,その効果を方略的に用いる際には,学習コミュニティをどのように構築し,浮きこぼれや様々な能力の不足を抱える学生を構成員として取り込んでいくかが修学の大きなサポートになることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)