2009 Fiscal Year Annual Research Report
コンピテンシー養成を目標に掲げたアウトカム評価システムの実証的研究
Project/Area Number |
21500930
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松本 豊司 Kanazawa University, 総合メディア基盤センター, 准教授 (20173908)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古畑 徹 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (80199439)
堀井 佑介 金沢大学, 大学教育開発・支援センター, 教授 (30304041)
佐藤 正英 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 教授 (20306533)
|
Keywords | アウトカム / コンピテンシー / 評価モデル / ITリテラシー判定テスト / 評価方法の確立 / 学生の視点 / ユーザビリティ向上 / プレテスト・ポストテスト |
Research Abstract |
本研究の目的は、学生にアウトカムを意識させながら4年間の学生生活の間に着実にコンピテンシーを身につけさせるための効果的な教育・評価モデルシステムの構築方法を実証的に研究することにある。我々の目指す目標のためには、まず入学時に学生が持っている能力を判定する必要があり、我々はITリテラシー判定テスト(PC,メール、文章処理、表計算、プレゼンテーションツールの5種類の知識の判定)を開発し、平成18年度から必修科目「情報処理基礎」の授業において試験を行い、教材の作成、実習内容の改訂などの基礎データとして活用している。また、獲得すべきコンピテンシーを明示する試みは、選択科目「一歩進んだPC活用講座A,B」の授業で取り組み、改善を続けている。研究初年度にあたり、国内外の関連の取り組みの調査を続けているが、国内にはまだめぼしい取り組みを見つけられていない。評価方法の確立のための取り組みとして、「一歩進んだPC活用講座A,B」のグループ課題の実施の際に、あらかじめ評価項目を学生に示しグループワークにあたらせ、そのプレゼンの際には評価項目を使って学生同士相互評価を行う取り組みを継続し、一定の成果を得ている また、評価項目を広く他の授業にも適用するために、経済産業省の「社会人基礎力」や中央教育審議会大学分科会小委員会の「学士力」を考慮に入れた本学独自の評価項目のモデルを作成した。 また、我々は、学生が講義受講による成果(アウトカム)を自らが確認でき、教員の評価との比較により今後の学習課題を気づかせる仕組みの検討を開始し、その第一歩の取り組みとして「受講者である学生の視点を取り組むことでユーザビリティ向上を図る取り組の検討を行った。研究に参加した学生たちが、教育システム情報学会JSiES学生研究発表会(北陸)にその成果を発表し、優秀賞を受賞した。また、授業の学習効果を授業の前(プレテスト)と、後(ポストテスト)で測定するための試験を、試作し、「一歩進んだPC活用講座A」で試行した結果、約3割の成績のアップが確認された。
|