2009 Fiscal Year Annual Research Report
旧制高等学校における科学教育の変遷:第一高等学校を中心に
Project/Area Number |
21500973
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 拓司 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (30262421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 裕之 東京大学, 情報学環, 教授 (20012495)
横山 ゆりか 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (20251324)
折茂 克哉 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (30376579)
夏目 賢一 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (70449429)
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Keywords | 旧制高等学校 / 科学教育 / 図学 / 速力 / 帝国大学体制 |
Research Abstract |
本年度は、第一高等学校の教務関係資料のうち、図学の生徒作品、写真類を中心に整理・補修・デジタル化を行った。これらの資料については、準備が整い次第、東京大学駒場図書館、東京大学情報基盤センターとの連携により、ウェブ上での公開を進める予定である。また、測量教育の開始の経緯について、森有礼の高等教育政策全般との関連による説明を試み、森の工業教育政策・徴兵猶予対策に注目することで一定の見解を得ることに成功した。測量教育については、さらに、これが実習も含めて充実を見せるに当たって、陸軍参謀本部測量課が明治23年に交付した機器類が決定的な役割を果たした可能性があることを、第一高等中学校時代に製作された実測図の年代と、機器類の交付時期の関係等から指摘した。これらの成果は、2009年11月10日-12日に横浜市で開催された図書館総合展においてパネル展示により発表し、また、英語版のパネルを、2010年1月22日-24日にフランスのポアティエ市で開催された第4回日仏先端科学シンポジウムにおいて展示した。 第四高等学校については、従来あまり注目されることのなかった昭和初期の役割について評価を行い、今後、科学教育へと分析を特化させていくための手がかりを得ることに成功した。
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