2010 Fiscal Year Annual Research Report
旧制高等学校における科学教育の変遷:第一高等学校を中心に
Project/Area Number |
21500973
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 拓司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (30262421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 裕之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20012495)
横山 ゆりか 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (20251324)
折茂 克哉 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (30376579)
夏目 賢一 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (70449429)
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Keywords | 旧制高等学校 / 科学教育 / 図学 / 測量 / 帝国大学体制 |
Research Abstract |
1.第一高等学校旧蔵の実験機器を用いて下記の展示を開催した。 東京大学駒場博物館「特別展 真空から生まれる科学と技術-アリストテレスからカミオカンデまで-」 会期:2010年10月16日(土)~12月5日(日) 主催:東京大学大学院総合文化研究科・教養学部 駒場博物館 協力:東京大学生産技術研究所 協賛:日本真空協会、日本真空工業会 後援:株式会社アルバック 開館日数:44日間 総入館者数:5,288人(一日平均:115人) 展示に合わせて、第一高等学校旧蔵の機器類のうち、ドイツ製の水銀拡散ポンプ、理化学研究所製油拡散ポンプ、マクラウド真空計の整備を行った。また、第一高等学校への電灯の導入に関する資料の調査を行った。日本における初期のエックス線発生実験には、かつて第一高等学校に関連のあった、山川健次郎、鶴田賢次、村岡範為馳、山口鋭之助、水野敏之丞が関わっていたことから、人事・教務関連の文書のうち、これらの人物に関わるものの調査・整理を行った。 機器同定のためにこれまでに収集したカタログのうち、ドイツのライボルト社のものには多様な真空機器の図像が掲載されており、重点的に調査・整理を行った。 2.仁科記念財団と共同で、旧制高等学校出身者を多く含む理化学研究所の戦前期最大のプロジェクトの成果であったサイクロトロンの設計図面の整理を行い、上記の展示に成果を出陳した。特に、アメリカのローレンスの助言はサイクロトロン建設の成功において重要であったが、ローレンスが提供した図面の所在を明らかにした。 3.第四高等学校の飯盛挺造の電磁気学を中心とする研究・教育に関する調査を行った。 4.第一高等学校の科学教育・工学教育に用いられた機器に関する現段階での調査結果を英文論文として刊行した。 5.小穴純文書は脱酸紙でできた箱などに収め、整理を行う環境を整えた。 6.林主税氏より、大学時代のノート類の寄贈を受け、整理を開始した。
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