2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500991
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
鳥居 雅之 Okayama University of Science, 総合情報学部, 教授 (60108983)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 唯達 岡山理科大学, 情報処理センター, 准教授 (80368612)
横山 由紀子 岡山理科大学, 総合情報学部, 准教授 (40351879)
|
Keywords | 考古地磁気学 / 陶邑 / 再測定 / 段階交流消磁 / 地磁気永年変化 / 修正Bivaiate Fisher法 |
Research Abstract |
平成21年7月18日に大阪大谷大学に関係者が集合し,研究の目的を確認し,最近の研究方法をレビューし,これから採用する方法の検討を行った.引き続き同大学博物館に保存されている陶邑古窯焼土試料を検分し,一部試料を岡山理科大学に運び出す作業を行った.同時に,試料採取時のデータが記載されている野帳や関連文献資料を蒐集した. 岡山理科大学では,鳥居が中心になって,1辺約4cmの壊れやすい試料を1辺1.5cm程度に正確に細分するためにまず試料切断機を改良し,さらに測定用試料に整形するための様々な手法の開発を行った.その結果,2ccのプラスティック・キューブに固定した試料を,タンブラーを用いて段階交流消磁を行う事が可能となった.最大180mTまでの段階交流消磁を行ったところ,一部の試料では100mT以上の高保磁力成分が認められた.この高保磁力成分が何であるのかを確認するために,予定外ではあったが段階熱消磁と各種岩石磁気学的実験を行った.その結果,高保磁力成分は2次磁化であることが確認でき,今後の消磁方針を確立することができた.また,試料切断による試料内誤差,サイト内誤差,サイト間誤差の検討なども行った. 一方,畠山と横山が中心になって,地磁気永年変化曲線を作成するためのアルゴリズムの開発を行った.従来日本ではこの作業は人間が感覚的に行ってきた.しかし,より客観的な方法を確立するために,ヨーロッパなどで採用されている方法をまず検討した.試行錯誤の後,B-splineによってまず補間したデータセットを作ること,修正Bivaiate Fisher法を考案し,さらにサイト間とサイト内誤差を考慮するという一連の方法を新に確立した.今後の研究ではこの方法に基づいて地磁気永年変化曲線を求め,さらに年代推定に応用していく予定である. 平成22年2月19日-20日に関係者が集合し,今年度の研究成果を検討し,次年度以降の方針を議論した.
|