2011 Fiscal Year Annual Research Report
島嶼GISの構築と脆弱性指数からみた島嶼空間の変容-奄美・沖縄を事例として
Project/Area Number |
21501003
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
宮内 久光 琉球大学, 法文学部, 教授 (90284942)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 昭利 下関市立大学, 経済学部, 教授 (90106013)
須山 聡 駒澤大学, 文学部, 教授 (10282302)
|
Keywords | 脆弱性 / 脆弱性指数 / 島嶼GIS / 島嶼空間 / 奄美・沖縄 |
Research Abstract |
本研究は,奄美・沖縄離島を島レベル、市町村レベル、字レベルで経済、社会、環境に関する諸指標をデータベース化した上で島嶼GISを構築し、それをもとに各島の脆弱性指数を算出して島嶼における脆弱性の空間構造を考察するものである。本年度は昨年度から継続している島嶼GISの作成,そして脆弱性指数の算出を行った。また,建設業における脆弱性について検討した。 まず,島嶼GISは奄美・沖縄離島に関する地形図をはじめ,空中写真や画像データなどのラスターデータをスキャニングしてGISソフトに取り組んだ。「地形図は大正9年測図の5万分の1地形図と2万5千分の1地形図と最新の地形図を使用した。空中写真や画像データは最新のものを使用した。レイヤー機能を利用することで,同一地域の新旧の地形図の比較や,地形図と空中写真などを重ね合わせることができ,地域変化を検討するベースを提供することが可能となった。また,地形図を背景に,昨年度までに作成した島嶼データベースの統計を結合することで,GISの画面上から字別,島別,市町村別に各種統計が閲覧できるようになった。この島嶼GISは今後一般に公開する予定で,地理教育などでの活用が期待される。 脆弱性指数については,島嶼データベースの統計を用いて,市町村,および島を地域単位として算出した。今回求めた脆弱性指数は,社会・経済に関する脆弱性の程度を表すもので,人口,観光化指数,航空路の欠航率,航路の欠航率などの指数を組み合わせて算出した。 産業の脆弱性に関して,公共事業が減少期にある建設業を対照に事業者へのアンケート調査や聞き取り調査を行い,離島の建設業者が公共事業縮減に脆弱である一方,農業分野への進出など建設業以外の新分野進出が盛んであることが明らかとなり,その結果を沖縄地理11号で論文発表した。
|
Research Products
(4 results)