2010 Fiscal Year Annual Research Report
大規模横ずれ活断層の活動区間に関する変動地形学的研究
Project/Area Number |
21501007
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
東郷 正美 法政大学, 社会学部, 教授 (70061231)
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Keywords | 変動地形 / 活断層 / 地震 / トランスフォーム断層 / ヨルダン渓谷 / ヨルダン |
Research Abstract |
本研究は、活断層の活動史を、活動区間とその活動特性に注目して取り扱おうとする試みであり、そのための有用な基礎資料を入手し得る可能性を持つヨルダン渓谷地域が当面の研究対象となっている。2年目にあたる本年度は、調査研究の主点を断層の活動履歴調査にうつし、初年度の成果に基づき断層帯北半部を対象としてトレンチ発掘調査研究を実施、あわせて次年度活動履歴調査の対象となる断層帯南半部の予備調査をこころみた。なお、本研究は、本年度もヨルダン天然資源庁との共同研究として実施した。 1)断層帯北半部におけるトレンチ調査とその成果 断層帯北半部のほぼ中央にあたるShaikh Husain地区でトレンチ掘削調査を実施した。Wadi Abu Ziadが形成した若い扇状地面上に掘削した2つのトレンチの壁面には、南北走向で高角の断層が露出し、この壁面観察と採取した試料の年代測定結果から、Lisan層堆積後に断層活動は少なくとも4回、そのうちの3回は最近のおおよそ5000年間に起こったものであること、最新の活動は紀元後の歴史時代にあったことがわかった。ヨルダンヴァレー断層帯を対象としたトレンチ調査はこれまでに行われたことがない。初めての挑戦で、しかもこのような貴重な活動履歴資料が得られたことは、学問的に意義深いと考える。 2)断層帯南半部を対象とする予備調査とその成果 次年度予定の断層帯南半部を対象とするトレンチ調査に関し、より条件のよい調査候補地の絞り込みを行うため現地調査を実施した。その結果、成果の期待できる候補地としてKaramaダム湖北岸、Zarca川北岸など浮かびあがってきた。
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