2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21510033
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
松田 宗明 愛媛大学, 農学部, 助手 (00108408)
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Keywords | 環境質定量化・予測 / 環境分析 / 有害化学物質 / 臭素化ダイオキシン / 臭素系難燃剤 |
Research Abstract |
臭素化ダイオキシン類は、その物理化学的特性により、相当する塩素化ダイオキシン類に比較して、ガスクロマトグラフ(GC)や質量分析(MS検出)で分析条件設定に厳密さが求められる。本研究では熱安定収のよい薄膜コーティングのキャピラリーカラムを作成し、GC条件の最適化を達成することができ、またあわせて質量分析計のイオン注入部の最適化および、高分解能質量分離におけるイオン化電圧等の最適化を行うことにより、従前より10倍以上高感度の検出を達成して、2, 3, 7, 8四臭化ダイオキシンについて100fgの検出を可能とした。 上記の開発した臭素化ダイオキシン分析法を用いて、主要難燃剤である臭素化ジフュニルエーテルを含むプラスチック機材の溶剤溶出成分と機材燃焼時生成物について、詳細な実験を行った。溶剤溶出成分中にはテトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ(4~8臭素化)のジベンゾフランが検出されたが、ジベンゾジオキシンはほとんど検出されなかった。しかし燃焼時には、4~8臭素化ジベンゾジオキシンが検出された。これらの結果を踏まえて、実際の燃焼現場である火事場における火災残渣や、消防士服への付着の様子などを調査した。 また、これらの火災作業環境中)の影響を受けると思われる消防士、比較対象として一般人の両者の体内濃度を把握するために、採取した血液中のこれらの化合物濃度を測定分析を行った。継続して作業者への影響評価を行った。ヒトへの影響評価を、ラットを用いた投与実験結果より考察を行った。さらに大気中、水・底質中の存在についての分析データを増やすことにより、環境侵入量がどの程度となるかを明らかとし、環境挙動を追跡する。
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