2009 Fiscal Year Annual Research Report
国内外来種オキナワキノボリトカゲの生態系への影響評価に関する研究
Project/Area Number |
21510034
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
岩本 俊孝 University of Miyazaki, 教育文化学部, 教授 (40094073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 哲夫 宮崎大学, 農学部, 教授 (40108725)
太田 英利 宮崎大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (10201972)
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Keywords | キノボリトカゲ / 外来種 / 移入種 / 影響評価 / 保全生物学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、九州本土に移入され、定着しつつあるオキナワキノボリトカゲの分布拡大の実態、生態、繁殖生理、在来生態系への影響を把握すること、本外来種侵入・定着の事例を生じさせたメカニズムを解明すること、またこの種の分布拡大を阻止するための施策に対し光科学的な知見に基づく有効な方法を提案することである。 本年度は、九州本土の2侵入地(宮崎県日南市、鹿児島県指宿市)における繁殖・分布実態調査を中心に調査・研究を行った。この結果、2侵入地ともに、市内の一部限られた地域での分布に収まっていることが確認されたものの、その分布地においてはかなりの高密度で生息し、かつ盛んに繁殖活動が行われていることが判明した。生殖器の発達状態、および発見個体のサイズ分布・生殖器の発育状態の月変化から、夏の問に産卵・ふ化・生長が行われ、早い個体は翌年繁殖可能になるサイズにまで生育することが分かった。ただ、冬季の数度にわたる探索にも関わらず、越冬場所及び冬眠しているか否かについては確認することができなかった。地表面温度を、日南市と指宿市で1年間にわたって温度ロガーで測定した所、越冬していると想定される地表面近くの温度が零度近くに下がることは冬の間を通して1~2回程度しかないことが分かった。 また、捕獲個体の胃内容分析を行い、主として膜翅目(アリ類)が捕食されているが、その他の、樹木の幹を移動ないし、幹にとまるほとんどの無脊椎動物(ワラジムシ、ゴキブリ、セミ等)も補食対象となっているこが明らかになった。
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Research Products
(4 results)