2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21510039
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川端 望 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20244650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
明日香 壽川 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (90291955)
張 興和 旭川大学, 経済学部, 教授 (40292271)
堀井 伸浩 九州大学, 大学院・経済学研究院, 准教授 (10450503)
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Keywords | 地球温暖化 / 日本:中国 / 石炭 / 鉄鋼 / 電力 / 省エネルギー |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下のとおりである。 1.本年度は、東日本大震災後の研究体制及び交通機関の混乱のために、仙台での研究会開催は断念し、研究代表者・分担者がそれぞれ研究を進め、メーリングリストで討論することを中心とした。 2.川端は昨年度に引き続き中国鉄鋼業の省エネルギー・CO2排出削減対策について分析を進め、ほぼ結論を得て論文投稿の準備中である。しかし、東日本大震災に直面したために、鉄鋼業における被害と復旧、業界再編の研究にも取り組むことになった。震災により、エネルギー消費に大きな影響を与える電炉業界再編があり得る情勢であったこともあり、論文発表はそちらを先行させた。堀井は中国経済における環境イノベーションの進展と、これを促すメカニズムについての検討を行い、日本で一般にイメージされているのとは異なり、中国において市場のインセンティブを活用した環境対策が進んでいることを明らかにした。明目香は、炭素制約と産業の国際競争力に関する研究を行った。この研究では、炭素集約度と貿易集約度が共に高い4つの産業、すなわちセメント、鉄鋼、化学製品と紙産業を対象とした中国を含む複数地域の一般均衡モデルを構築し、排出量取引制度に対する補足的な制度となる国境調整や排出枠無償配分の政策シナリオに対応するCO2排出削減効果、CO2排出価格、厚生水準及びカーボン・リーケージなどについて数量的な分析を行った。張は、中国政府が公表した2050年までの低炭経済に向けたシナリオの分析を行った。
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