2011 Fiscal Year Annual Research Report
生化学試験用投げ込み型1チップ温度計開発とその応用
Project/Area Number |
21510126
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
村上 裕二 広島大学, ナノデバイス・バイオ融合科学研究所, 特任准教授 (70272995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 智弘 広島大学, ナノデバイス・バイオ融合科学研究所, 特任准教授 (20457295)
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Keywords | 温度計 / センサLSI / マスクレス露光 |
Research Abstract |
生化学試験は通常1mLに満たない容量で実施され、コンタミや蒸発防止のため使い捨て容器でブタがついている。生化学反応は正確な温度制御が求められるが、通常の温度計を持ち込むことができない。市販の熱電対などはそれ自身の比熱が大きい。マイクロバイオデバイスの温度計測では、同様に外部の大量な熱媒体温度を測定する方法、微細加工技術で専用の温度計を開発してしまう手法、近接する位置まで穴を掘るなどして熱電対を配置する方法、蛍光色素などの温度感受性試薬を系中に導入して光学的に計測するもの、があるが、直接計測する温度計はない。そこで、1.5mLエッペンドルフ型サンプルチューブ内で利用できるように温度計機能のワイヤレス化に限定した簡素な小型LSIチップ製作を試みている。 先年度動作検証を行った試作チップの設計をもとに、低消費電力化を図った。主として電力の大半を費消する無線部の改良を行った。具体的には実験結果に即して不要と判断した位相変調、送信出力切り替えを廃し、一定の出力でのOn-Off Keying(OOK)のみを行う構成とした。また、無線による外部給電を指向し、チップ上にMOS-FETのダイオード接続による整流回路を試作した。 温度センサの信号をアナログ-デジタルコンバータでシリアルデータとし、無線部に直結して動作検証を行った。別途ペルチェ素子を用いて昇降温ステージを作成、直径1cm 5ターンの外付けコイルをアンテナとして距離5cmでデータの回収を確認した。一方、無線による給電でチップの消費電力を賄うには至らず、今後の課題となった。 一方微細鋳型を用いた電気メッキによる外部アンテナ製作のための鋳型製作条件については論文執筆を進め投稿した。
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Research Products
(1 results)