2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖のシグナル伝達に関わるNADPHオキシダーゼ1の活性化と情報伝達機構
Project/Area Number |
21510227
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田村 実 Ehime University, 理工学研究科, 准教授 (00128349)
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Keywords | 酵素 / 生体生命情報学 / 発生分化 / シグナル伝達 / 活性酸素 / スーバーオキシド |
Research Abstract |
1. 活性化因子の大腸菌による発現と精製 Nox1の活性化因子と目されるNoxA1(p51^<nox>)とNoxO1(p41^<nox>)を組換え体として得る方法を確立した。大腸菌で発現させ、アフィニティーやイオン交換カラムなどにより精製した、それぞれ比較的よい収率で純粋なタンパク質を得た。 2. 大腸癌細胞のNox1および好中球Nox2の無細胞活性化 ヒト大腸癌細胞Caco-2のO_2^-生成酵素Nox1を上記の活性化因子により無細胞系で活性化することに成功した。すなわち培養したCaco-2から形質膜を分画し、NoxA1とNoxO1をracと共に加え、NADPHを添加するとO_2^-が発生した。この系について検討し、次のことを見いだした。i)電子供与体はNADPHであり、補酵素としてFADが必要である、ii)NoxA1(V205A)およびNoxO1(W197R)では殆ど活性化が起きない、iii)NoxA1N-Rac融合タンパク質はNoxA1+Racより低い活性を示す、などである。さらに、NoxA1とNoxO1は、Nox1のホモログであるNox2も活性化することを見いだした。ただしこの場合、古典的な組み合わせであるp67^<phox>,p47^<phox>による活性化よりかなり低い程度の活性であった(14%)。 3. 血管平滑筋細胞のNox1の無細胞活性化 血管平滑筋細胞A10について、形質膜を分画し、上述の活性化因子を加えて無細胞系でNox1の活性を見ることに成功した。O_2^-生成活性はA10を予めアンジオテンシンIIで刺激しておくと上昇した。 4. その他の活性化因子の発現と調製 その他本酵素の安定化因子と思われる細胞骨格タンパク質β-アクチンについて、これを大腸菌で発現させ精製する簡便な方法を確立した。またその変異体を作成することに成功した。変異体は自らの重合能が低下していた。
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Research Products
(4 results)