2009 Fiscal Year Annual Research Report
小笠原諸島における十脚目甲殻類のインベントリ作成および保全に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21510248
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
佐竹 潔 National Institute for Environmental Studies, 生物圏環境研究領域, 主任研究員 (70150159)
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Keywords | 十脚目甲殻類 / 海洋島 / 固有種 / 分類学 / 生態学 |
Research Abstract |
海洋島の小笠原諸島には独自の進化を遂げた固有種が分布することがさまざまな分類群で報告されている。ところが、十脚目甲殻類についてはこれまでに調査が行き届いておらず、新種や新記録となる種が発見される可能性がある。また、かつては本州や南西諸島に分布する種と暫定的に同一種とされてきた種についても分類学的な再検討を行うことにより、それぞれが別種とされるなどの例も想定される。もし新たな種が記録され、その種が小笠原諸島の固有種であったり、生息数・生息地点の少ない地域個体群などであったりするような場合には、例えば国立公園で保全する対象種として扱うなどすべきであると考えられる。そこで、父島・母島の陸水域と海域を調査地域とし、十脚目甲殻類を主要な対象とした水生生物の分布調査を行った。特にサンゴ礁海域は近年の白化現象により危機的な状況に陥る可能性が想定されたので、研究協力者より提供を得たGIS情報を参考にして造礁サンゴの被度が高い海域に重点をおいて調査を行った。海域ではD-フレームネットや篩いを用いた採集と併せて、潜水による調査を行い、得られた標本について可能な限り新鮮な状態でデジタルカメラを用いた撮影を行った。このようにして得られた標本や画像を用いて連携研究者がそれぞれ専門とする分類群について研究を行っているが、これまでにサンゴガニや共生エビが複数種見られており、共生エビはサンゴの他に、シャコ、ウミシダ、カイメンなどから得られたが、全体としての種数は南西諸島のサンゴ礁と比較すると少ないと考えられた。
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Research Products
(4 results)