2010 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本の都市表現文化におけるディアスポラと社会的排除の研究
Project/Area Number |
21510272
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
浜 邦彦 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (60388634)
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Keywords | ディアスポラ / 多文化主義 / 社会的排除 / 公共性 |
Research Abstract |
本研究は,日本の都市の路上(ストリート)をフィールドに,グローバルなディアスポラのモチーフが,ストリートの表現文化にどのように受容され,その表現文化をどのように変容させているかを探ると同時に,それらのディアスポラ的・周縁的なモチーフがつねにさらされている社会的排除の圧力や緊張が,この表現文化にどのような性格を与えているかを,主にフィールドワークとインタビューによって,具体的かつ実践的に調査し考察するものである. 2010年度は,東京都渋谷区立宮下公園のナイキ・ジャパン社による改修工事に反対するアーチストらの運動をとりあげ,公共空間の意味,メディアのあり方を含めた,公共性をめぐる議論を深める一年になった.主な活動は以下の通りである. 1.「みんなの宮下公園をナイキ公園化計画から守る会」「宮下公園アーチスト・イン・レジデンス」をはじめとする,宮下公園での多様で創造的な活動への継続的な参与と調査. 2.7月に駒澤大学で開催された「カルチュラル・タイフーン2010」への全面的な協力および,展示ブース出展. 3.11月20日,27日に早稲田大学で,公共性をめぐる連続シンポジウムを開催. 4.紙媒体,映像を含む宮下公園の活動のアーカイブ化の着手. その他の成果は,連携研究者によって随時論文や学会発表等にまとめられている.また研究遂行の母体である「ストリート研究会」を中心に,活発な人的交流と意見交換を通じて,アクチュアルで領域横断的な文化研究のネットワークを築いてきた.
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