幾何学的形態測定学手法を用いた、洛中洛外図解析とその系統化の研究

2009 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 21520148
• Research Institution: Institute of Advanced Media Arts and Sciences
• Principal Investigator: 関口 敦仁 Institute of Advanced Media Arts and Sciences, メディア表現研究科, 教授 (10336646)
• Keywords: 芸術諸学 / 洛中洛外図 / 幾何学的形態測定学 / 芸術解析

Research Abstract

本研究はこれまで公開された洛中洛外図屏風の景観類型の検証と、幾何字的形態測定法を用いて直感的な系統化を図ろうとするものである。
幾何学的形態測定法は、主に生物系統学において、生物の進化の過程での形態と変化を系統化する目的で利用される手法である。
本研究ではTPS(Thin Plate Spline)による比較解析手法を洛中洛外図に適用することにより、該当する地理情報と比較作品の定量化を図るとともに、画面変形による直感的な景観類型の系統化を実現する。
平成21年度
1,作品および作品情報の収集と、画像と項目のデータベース化
初年度として系統化研究のための各種データの調整業務を中心にデーターベース作成をおこなった。
現存する作品の情報収集、ならびに所蔵情報や展示の経歴などから、これまで公開された洛中洛外図屏風の画像収集と論文や解説を照合し、比較対象となるデータの作成を進めた。
作品のテキスト情報については一定の収集が進んでいるが、解析に適当となるカラー作品図版について
収集していく必要がある。
2,形態測定学手法による比較研究
幾何学的形態測定法の利用では、主な作品に対しTPSソフトウェアーを活用して標識点の作成を開始し、比較検証を開始した。比較の直感性を高める為に標識点を効率的に簡素化する必要性がある。
3,比較データの芸術学的解析と系統化研究
このデータを元に、これまで提案された景観類型手法と作品図を照合し、対応関係が判別できるよう準備を進めた。
また、内藤昌氏が提唱した景観類型手法を地理情報へ照合し、作品群と景観類型法と地理情報に対応関係を持たせ、定量表示の基礎研究をおこなった。