2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520169
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
森 公一 同志社女子大学, 学芸学部, 教授 (60210118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砥綿 正之 京都市立芸術大学, 美術学部, 教授 (50249372)
二瓶 晃 大阪成蹊大学, 芸術学部, 准教授 (30368435)
真下 武久 成安造形大学, 芸術学部, 講師 (10513682)
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Keywords | メディアアート / インタラクティヴ・アート / 神経科学 / 脳科学 / 情動 / 芸術と科学 |
Research Abstract |
本研究は、生体機能の情報化技術に基づく実験的表現等によって、芸術と科学の融合、とりわけメディアアートと脳科学の融合の可能性を開くことを目的としている。平成23年度については、「鑑賞者の生体情報を活用した芸術表現の分析と検証」をテーマに、平成22年度に京都国立近代美術館において展示した実験作品《光・音・脳》において取得した、870名分の各種データとアンケートの分析・検証、およびプロジェクト全体のまとめを行った。 《光・音・脳》の鑑賞者による体験に基づいて取得したデータは、快情動の検出に関わる左半球前頭前野背外側部(DLPFC)付近におけるoxy-Hb量の変化、不快情動の検出に関わる両半球前頭前野腹外側部(VLPFC)付近におけるoxy-Hb量の変化、快・不快の検出時期と時間、光と音の状態、記述式のアンケートである。これらのデータを分析・検証した結果、《光・音・脳》における快・不快の判定において相関関係が認められたが、弱い相関であったため、実験の精度に改良の余地が残る。快・不快の継続パターンについての分析・検証においては、男性で快が30秒以上継続するタイプ(継続タイプ)では、快・不快の相関が女性と比べて高く、快と不快が明快な傾向が見られた。また女性の継続タイプは、男性と比較すると相対的に快の状態が多く、快が継続しやすい傾向が見られた。光・音の刺激と情動の関係については、赤が不快を誘発しやすく、緑は快を誘発しやすいという傾向が、また低音が不快を誘発しやすく、中音は快を誘発しやすいという結果が得られたが、とりわけ高音については快・不快両方に強く作用する傾向が見られた。また、光よりも音の刺激が情動を誘発しやすいことが判明した。
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Research Products
(2 results)