2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520212
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
高田 信敬 Tsurumi University, 文学部, 教授 (00124199)
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Keywords | 源氏物語 / 有職故実 / 注釈 / 古記録 / 古典籍 |
Research Abstract |
本年度の研究成果を、次の4項目に分けて記述する。 1)源氏物語および有職故実文献の実地調査 活字化されていない、もしくは基礎的情報の不十分な文献に関して実地調査を行い、書誌的事項を中心とする調書を作成した。京都府立総合資料館・神宮文庫・蓬左文庫等に集められた有職故実関連分野については、特に新しい知見が少なからず得られた。 これに付随して資料となる古典籍原本を選定購入し、必要なものには補修を加えて、研究基盤の整備をはかった。 2)源氏物語古注釈の有職故実項目一覧作成 源氏物語古注釈は莫大な数量に及ぶので、研究史上著名であり、かつ学術的価値の高い『源氏釈』『奥入』『紫明抄』『河海抄』『花鳥余情』『細流抄』等に限定して作業を進める。今年度は、『河海抄』『花鳥余情』について一応の項目抽出を完了し、一覧表を作成した。 3)有職故実書・古記録の輪読と討議 随時集まりを持ち、標記の研究を行った。今野論文はその成果の一部であり、目下古記録『十輪院内府記』を素材として、そこに現れる書籍名索引を編纂中である。 4)解題作成の試行 研究の基礎となる文献については、書誌的・文献学的解題が必須であるが、国文学に関わる有職故実書においては、十分な蓄積がないので、汎用性の高い解題を目指して試行した。 その他、古典籍のデジタル化・関連展示目録の整備等も行ったが、主要な事項ではないので省略する。
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